■祝言とは■

読み方は「しゅうげん」 読んで字の如く祝いの言葉です。
地域によっては今でも婚姻・結婚式のことを祝言・祝儀と呼んでいます。
祝言をあげるとは結婚式を挙げるという意味です。

祝言は古来から続く日本の一番古いスタイルの結婚式です。
現代風に言えば人前式。少し前なら家婚式と言いました。
最近では和婚式・祝言式・和装人前式と言われることもあります。

新婦は生家で花嫁支度を整えて黄昏時に、
花嫁道具と共に行列を成して新郎の元へ向かいます。
新郎の自宅に親族や友人を集めて三々九度の挙式を行った後、
飲めや唄えやの披露の宴が三日三晩つづきます。

新郎新婦の自宅が使えない場合は村の庄屋さんの家を借りたり、
公共の建物を借りたりしました。これが後の結婚式場になります。

時代は流れ、人々は地方から都会へ出て行くようになります。
住宅事情も変わります。披露宴ができるような大きな家は少なくなりました。
昔の日本家屋は普段は各部屋が襖で仕切られていますが、
冠婚葬祭など大勢の来客がある時には襖をはずして、
大広間として使用することができました。

昭和30年代〜40年代は公民館や婦人会館での結婚式が増えます。
かつては、酒や料理をご祝儀にと持ち寄りましたが、
都会での結婚式が増えるとご祝儀は現金に代わりました。


昭和50年代はまだまだ和装が多かったようですが、
60年代に近くなるとウェディングドレスを着てチャペルで挙げる
キリスト教式が一般化していきます。
そして現在、洋風とはいえ人前式が定着しつつあり、
神前式や黒引き振袖など和装の人気が上昇しつつあります。

日本人古来の文化、祝言が見直される日もきっと近いでしょう。

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この記事を書いたのが2007年4月のことです。
それから2年の間に和のウエディング・和婚の人気は急上昇しました。
私が初めて和婚のブライダルプロデュースをしたのは2006年の春でした。
あの頃と比べると和装はかなり充実していると思います。
和婚を扱うブライダル会社も増えました。
藤原紀香さんや沢尻エリカさんの絶大な効果もありました。
ウエディングの流行・トレンドは和婚といった感じでしょうか。
3年後にはいったいどうなっているのでしょうか?
祝言が普及するようこれからもがんばっていきたいと思います。